地域医療連携推進法人美濃国地域医療リンケージ
代表挨拶
代表理事 冨田 栄一
「美濃国地域医療リンケージ」は、岐阜医療圏、中濃医療圏、西濃医療圏に存在する3病院が,それぞれに抱えている課題を連携を通して解決していくことを目指し、令和6年4月に発足いたしました。
当法人は、岐阜県内では2例目で、3つの医療圏をまたぐ地域医療連携推進法人としては、県内初となります。また、設立母体が異なる三者が連携するものであり、それぞれの医療機関が有する特性を生かして,様々な課題に柔軟に対応できる可能性があり,新しい形の連携法人を期待したいと思います。各医療圏の地域住民に質の高い医療を提供することを共通の目的に、医療機関相互が連携しながら、将来にわたり持続可能な医療体制の構築に向け、推進していきたいと考えております。
今後とも関係各位の御支援と御協力をよろしくお願い申し上げます。
方針
1.医療連携推進区域
(1)岐阜県羽島郡(岐阜医療圏)
(2)岐阜県美濃市(中濃医療圏)
(3)岐阜県海津市(西濃医療圏)
2.参加法人
・社会医療法人蘇西厚生会(松波総合病院、まつなみ健康増進クリニック、松波総合病院介護老人保健施設、まつなみ訪問看護ステーション、まつなみ訪問介護ステーション、まつなみリサーチパーク(医学研究所))
・美濃市(美濃市立美濃病院)
・一般社団法人海津市医師会(海津市医師会病院)
3.理念・運営方針
(理念)
医療圏の垣根を越え、お互いに補完し合うことで、急速に進む少子高齢化の中で、安定性と持続性を併せもった効率的な医療提供体制を構築し、それぞれの地域住民の暮らしの安心を実現する。
(運営方針)
-
地域住民がより良い医療を受けられるようにする。
-
地域医療に貢献する志と能力を持った医師ならびに医療従事者を確保育成する。
-
参加法人の安定的経営を追求する。
-
地域の医療従事者がやりがいをもって働ける職場環境を追求する。
-
地域の医療機関の役割分担を重視する。
4.病院等相互間の機能の分担及び業務の連携に関する事項及びその目標
(1)地域総合医の育成
・地域での研修を通して、地域医療に貢献する志を持った医師を確保・育成する。
・医師確保策を推進する県行政とも連携し、地域総合医の育成体制を整備する。
・内外に地域医療モデルとして発信することをもって、医師派遣体制の安定確保に取り組む。
(2)医師および医療介護従事者等の人事交流
〇人事交流の実施
・医師および医療介護従事者等の確保が困難な施設に対し、参加法人間で職員の人事交流を行う。
・人事交流に際しては、法人間で人員配置情報を定期的に共有し、状況に応じて、年単位、月単位、日単位、半日単位等で柔軟に人事交流を行う。
〇研修会・講習会等の開催
・医療介護従事者向けのサービスの質の向上を目指す各種研修会•講習会を共同で開催することで、研修効果の向上、受講機会の拡大、経費の削減、業務量の軽減を図る。
・医療介護従事者の確保においては、職員の養成と定着を図る仕組みを構築するとともにサービスの質の向上を目指す。
(3)医療提供体制
○診療機能の分担・連携
・地域医療構想に則し、それぞれの区域に効率的かつ安定的な機能分化体制を構築し、各法人が「適正な役割分担」を担うために必要な連携を行う。
・各医療圏で治療が完結しない患者等の治療においては、法人間の連携を有効に活用することで地域医療のさらなる発展を目指す。
〇患者及び職員の利便性
・地域医療の支援においては、患者及び職員の利便性を確保するために必要な対策を検討する。
○地域包括ケアシステムの構築支援
・市民公開講座等に相互に講師を派遣する等、地域住民の健康づくり•介護予防を目的とした講座の開催等の保健福祉領域事業の支援を行う。
・それぞれの区域における地域包括ケアシステム体制を、健康づくりや介護予防等の保健福祉領域とも連携しながら多職種連携により構築することを支援する。
○在宅医療の支援
・それぞれの区域で、基幹病院とプライマリ・ケア機能を担う診療所群とのネットワークを介して24 時間 365 日の在宅医療支援体制を構築できるように補完支援する。
(4)経営協力
○共同交渉
・医薬品・医療材料・医療機器等の購入に際して、参加法人がボリュームメリットを活かして共同で一括交渉等を行うことにより、参加法人の経営効率化を図る。
○共同委託交渉
・給食・清掃・施設保守維持等に関して、参加法人が個々に委託する管理業務等について見直し検討を行い、スケールメリットを活かせる業務については順次、共同交渉を行う。
(5)その他
○自然災害等緊急時の相互支援の仕組みづくり
・連携体制を整備し、参加法人の医師、医療介護従事者等が迅速に適切な対応が出来るように支援する。
○働き方改革への対応
・参加法人の医師の労働時間の短縮に向けた緊急的な取り組みの実現の他、スタッフの確保、タスクシフティングの実現に向けて連携を図る。